2011年6月18日土曜日

【回想】「クラブ・ジャズ喫茶[モア]Vol. 8」

今回=Vol. 8のフライヤーには、 
船が描かれています。

そこには、人の姿こそ確認できませんが、
この日の乗客は、ご来場いただいた皆さんです。

そして船長は…
もちろん、ゲストDJ・Roots76さん。

選曲とは航海のよう、との形容を
前回=Vol. 7でお配りしたCD「Sounds for BATH TIME」の
ライナーノーツで記しました。

まさに、この日は、
航海との表現がふさわしい内容でした。

ジャズ、ジャズ・ファンク、
ソウル・ジャズ、スピリチュアル・ジャズ…
と、ジャズを主軸に据えながらも、
あらゆる地域を探訪されていましたね。


ジャズとは宇宙のようなもので、
ある意味、音楽のすべてを包含している、
と言えるのです。

ゆえに、
各人が抱く、千差万別のジャズ観は
すべて正解となりましょう。

となると、
航路の描き方=聴かせ方が
重要になってきます。

その意味で、
Roots76さんによる舵取りは、
幅広い地域を巡っただけではなく、
これまでに登場したDJが探求できなかった奥地にまで及び、
我々が抱いていた、音楽地図上のジャズ地帯の分布を
書き換えられる感覚を抱かせました。

フライヤーの裏面では、辺境グルーヴを前面に押し出しましたが、
逆に“ど真ん中”な選曲も飛び出しました。
そう、日本国内の周遊です。

あるときに流れていたブラジリアンが、
どうしても気になったので、
Roots76さんにお聞きしました。

すると、「さだまさしのバック・バンドのLPやで」と。
僕の地図には載ってない地域です。。


また、「このラッパの音色は誰ですか?」
「Freddie Hubbardのアトランティク盤やね」
と、“観光名所”でありながらも、
知られていないスポットも紹介してくださいました。


そして、気がつくと、
いかにして、船長のアグレッシヴな航路を超えるか、
ということで頭が一杯になっていました。

ジャズ、生音、旧譜、国産…
といったRoots76さんのキーワードを確かめつつ、
僕がピックアップしたポイントは
現代のジャズ、打ち込み、新譜、日本人アーティストが関与したもの…
ということで、
ブロークンビーツを大胆に投入。

すると、
“「Freedom time」(毎月最終土曜@NOON)のようですね〜”
との声が。。

クロスオーバーと呼ばれる、
このシーンの音楽をよく知るかたからすれば、
“あのころのフリーダム”
となったかも知れませんが。。

この日は、
“クラブ・ジャズ初心者です”
というかたもご来店いただいてました。

ですので、
どうしても旧譜スタイルのRoots76さんとは
異なるカラーを提示したかったのです。

クラブ・ジャズ歴が長い人にとっては
“ナツフナ”=懐かしい船旅となれば
との想いもありましたので、
ねらい通りです。笑

ブロークンビーツだけではなく、
いろいろな部分にスポットを当てた“ナツフナ”を
あらためて開催するのも、いいかもですね。


*Rootd76さんが
セットリストの一部を送ってくださいました〜↓

「Sunrise Prince」Jose Mangual
「Bird of Beauty」SOL
「My Love for You」Ramsey Lewis
「Dragon Breath」Bobby Vince Paunetto
「Malibu」Full Moon
「South Street Stroll」Freddie Hubbard
「For Freedom」茶坊主