2019年2月12日火曜日

"VINYL SESSION" Vol. 101 - Definition Of House Music - / 開催によせて


主催イベント "VINYL SESSION" は、
ツキイチで開催している。

会場は2つあり、
奇数月は cafe & curry Buttah (心斎橋) で、
偶数月は NOON (梅田) で
それぞれ展開中だ。

いずれにおいても、
ほんとうに、信じられないくらい、
僕の好きなように、果てしない自由度のなかで
開催させていただいてる。

それは、そのまま、
主催者のセンスがストレートに披露されることを意味し、
いわゆる "ぶっつけ" で臨んだ場合、
内容が散漫になってしまうという危険性を孕んでいるという状況でもあるのだ。

それを回避するため、
開催時間が長い NOON の場合には
特にテーマやコンセプトを設けている。

今回 = Vol. 101 は、
「Definition Of House Music」。

クラブ シーンの音楽を愛好する僕にとって、
House Music をはじめとするダンス ミュージックは、
これまで、常に身近な存在であり続けてきたけれど…

カフェやバーを会場とするイベントを手がけていたことから、
3年ほど前までの数年間は
基本的にはレイドバックな方向性を意識していたし、

クラブや、規模は小さくとも、
アッパーな色みを帯びたイベントからのブッキングがあった際も、

(もちろん了承を得たうえで、)
逆説的手法たる感覚でもって、あえてユルいBPMのセットを盛り込むことで、
ダンス ミュージックという概念の拡張や、
前掲イベントの主張 / 訴求を主眼に据えていた。

そんな僕が、
なにをキッカケに方向転換したのかというと…

自身のなかで "音楽の先生" と定めている先輩が、渡米中に得た、
スローダウンな音源 × その倍のBPMトラック から成るDJミックスの世界観
からの触発だった。

スローモーな側面に登場するトラックに馴染みがあったことで、
しばらく距離を置いていたスピーディー サイド = ダンス ミュージック群との再会が
素直に楽しく、そして興味深く響いたのだ。

また、これと同じタイミングで、
NOON でのオールナイト営業がリスタートし、
"VINYL SESSION" も朝まで展開するコンテンツへと移行することに。

すると…
スペースは、カフェ / バーからダンスフロアに切り替わり、
そこは、まさに "興味深い響き" = ダンス ミュージックをプレイするに最高の環境であり、
House Music をはじめとするダンサブルなトラックを取り上げる機会が
加速度的に増したいったのだ。

…と、
このときから約3年も経過しているのに、
なぜ、いま、- Definition Of House Music - なのかーー。

それは、ゲストDJ、
Mitsuki君 (mole music / deeperama)
のせいだ。 

あれは、
昨夏の、あるギグでのことーー

スピンに没頭する彼は
前傾姿勢を崩すことなく、
DJバッグとターンテーブル / ミキサーの往復を繰り返している。

その動きは、
セレクトされる Deep House が織りなすヒプノティックな音世界と相俟って、
呪術的な作用を生み出したのだろうか…

リスナーたちの動きをも、
完全に "ドンドンドンドン" という
4つ打ちのリズムフォーマットに合わせた内容にシフトさせていく。

と、
次の瞬間、
彼はフリーキーなジャズ トラックを投入した。

それまでの、整合したサウンドから一転、
乱れ打たれるドラムの音が鳴り響く。

なのに…
オーディエンスたちは、
ひたすらに、ハウス ビートに則った動きでダンスを続けている。

そして、同じく、
自身も、4 kicks な感覚に
身を委ねていることに気がついたのだった。

踊りつつ、
ひさびさに謹聴という姿勢を意識しながら、
この現象を生み出した真理を見つけようとしたのだが、
まったくわからない。

しかし、
この感覚を抱かせる行為を生み出すことができる音楽こそが
House Music だと思うのだ。

みつき君の紹介の折に掲載させていただいた、
服田氏の言葉を借りると…

「DJが表現する最中に出会うものや過ぎ去るものには自分自身が勝手に向合うのだ」
ということなるだろう。

この体験を通じて、
僕は VINYL SESSION に彼を招聘し、
ハウス ミュージックを特集する企画を思いついたのだった。

そして、そのときから、
彼に失礼のないセレクトができるよう、あえて漸進的に盤の準備を進め…
未だに完了の感覚がないのだが、

彼が店主を務めるレコード ショップ・Mole Music が移転するというニュースを耳にし、
"フットワークが軽い状態のうちにゲスト出演してほしい" との気持ちから、
このタイミングに。

ともあれ、
イベント前にアップする本稿にて、
すでに House Music を definition してしまったのだが…

先述したシチュエーションでは扱われなかった、
あらゆる類いの音源を用いた様々なアプローチの選曲によって、
リスナーにたいして "自分自身に向き合う時間" を創出し、
House Musicの玄奥なる趣を与える Mitsuki君を紹介するにあたっては、
ほんのフリ程度にしかならないうことを確信しての記述だということを
次の金曜 = 2/15 開催の "VINYL SESSION" Vol. 101 に来ていただいた方々には
きっとお解りいただけるだろう。

とにかく、
単なる「4つ打ちバスドラムの捨象作業」に終始しないハウスミュージック特集
になることは間違いないのである。

ただし、
一切の構えは必要ない。

ゲストDJの Mitsuki & Mayshi、そして VINYL SESSION's DJ による
"ハウスのレコードを持ち寄るポットラック" てな感じで
捉えていただけたらと思う。

特に、みつき君とメイシ君の
浩瀚なレコード ライブラリからやってくる多彩な盤や希少なレコードたちは、
曲単位で存分に楽しめる空間をプロデュースしてくれるから
是非とも気軽に集っていただきたい。



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"VINYL SESSION" Vol. 101
- Definition Of House Music -

2019.2.15 FRI
at NOON
21:00 - 5:00

Charge:
 1500yen + 1drink
  (500yen discount with flyer)
  (Foreigner: 1drink only)

Guest DJ:
 Mitsuki (mole music / deeperama)
 Mayshi (千日前音泉 / Dibots / cabinet. )

Shop:
 < Biryani >
  MR. SAMOSA

Resident Live Set:
 SHU SUZUKI (Keyboard / Guitar / Drum Machine) 

Resident DJ:
 DAISUKE MATSUMOTO (MORE PROJECT)
 SHINJI OKANO (RAPPORTIA)
 SHIGEMA
 YOHEI OKAMOTO (Nuovo Classico / John Doe)

Resident VJ:
 MASSAN (DEEP IMAGINATION FACTORY)

Artwork:
 ink


< Featuring genres >
   All kinds of House Music
   and many kinds of 4/4 kicks sounds.
  
< More Information >
   MORE PROJECT official website:


■NOON
   大阪市北区中崎西3-3-8 JR京都線 高架下
   3-3-8, Nakazakinishi, Kita-ku, Osaka city
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