先日、MAMBO CAFEさんで“開店”しました、
「クラブ・ジャズ喫茶[モア]Vol. 1」にお越しいただいたみなさま、
ありがとうございました!
みなさまのおかげで、初陣は大成功でした!
激しい雨と強風という悪天候のなか、
わざわざ足を運んでくださり、また友人や恋人にも声をかけていいただきまして、
本当に感謝しております!
ご来場いただいた方々は…
ワークウェア/アートスペース・オーナーさん
パーカッショニスト/歯科医師さん
スタイリストさん
モデルさん
カメラマンさん
ボーカリストさん
レコードショップ店主さん
広告営業ウーマン
ジャズ・ベーシスト
編集関係者…
などなど、多彩で多才、
かつオシャレな人物ばかり。
多くの刺激を受け、
外的、内的、さまざまな面における感化がありました。
また、普段、お会いすることはあっても、
プライベートではなかなかお会いする機会がないかたとの交流は新鮮で、
最近ではあまり抱くことのないドキドキがありました。
ほんとうに、ありがとうございました!
当日は、MAMBO CAFEさんの店長さん、
キッチン、ホールを担当されるスタッフさんに
陰で支えていただきました。
大変お世話になりました。
ありがとうございました!
MAMBO CAFÉさんは、
普段も24時まで営業されています。
また、ランチ営業もされていますので、
お近くに行かれたときは、ぜひぜひ。
さて、このイベントでは僕がDJしていますので、
この場で、選曲の内容について、ちょこっとご紹介いたします♪
第1回目ということで、
イベントの概念を形成すべく、
DJは僕1人で取り組むことにしました。
オープンから2時間くらいは、
巷間言われているところの“ジャズ”な音楽をプレイしました。
イベント名にある“ジャズ喫茶”から抱かされるイメージを
裏切らないスタート地点だと考えたからです。
もう少し詳しく書きますと…
スピリチュアル・ジャズに始まり、
モダン・ジャズをブリッジとして、ニュー・ジャズへとリンクさせていきました。
このセクションにおける前半は、
内省的やストイックといった印象を持つ、
静謐な作品が多かったように思います。
実際、これらの楽曲に携わっているミュージシャンやプロデューサーに
そういった精神性があるのでしょう。
作品は、その自然な発露と言えます。
また、メロディの音階的起伏が緩やかであったり、
登場する楽器の数が少なさを共通に選曲したため、
そのようなイメージが膨らんでいったのかもしれません。
後半は、吉澤はじめさんやSleep Walkerといった、
現在のクラブ・ジャズ・シーンを牽引するアーティストを大胆にフィーチャー。
そして、
打ち込み(コンピュータによってプログラミングされたドラムやベース)
を軸に作られたジャズへと移行していきます。
打ち込みに固有な無機質なテイストと、
上モノ(ビートの上に重ねられる諸楽器の音色)
を構成する生音(“打ち込み”に対して、コンピュータではない、実際の楽器音)
のあたたかい音像が絶妙に絡むサウンドを意識してチョイスしました。
そんな特長を公約数とする、
ラウンジーでアブストラクトな音楽でつなぎ、
ブロークンビーツへと流れを作ってみました。
ブロークンビーツとは、文字通り、
壊れたビート=変拍子を意味します。
チープな音作りと、キャッチーなアイコンを用いて乱発される、
ポップスといっても差し支えのない、名ばかりのハウス・ミュージック。
そんな、マンネリ音楽がメインストリームに蔓延っているため、
“ブロークン”なビートは、まさに一般リスナーが抱くダンス・ミュージックの概念を
“壊して”くれると思います。
もちろん、良質なイベントでは、
知的な味つけが施されたハウスを楽しむことができます。
翻って、なぜ、僕がブロークンビーツを選曲するのか。
それは、ジャズであるから、との認識があるからに他なりません。
ブロークンビーツというリズム・フォーマット、
そしてそれが放つ攻撃的/ラディカルな側面が、
現代におけるジャズの先端であると確信するからです。
そのような解釈を抱く僕のジャズ観は、
ジャズ・レーベル、Blue Noteの歴史をふりかえると、
お伝えしやすいように思います。
ご存知のように、その初期の作品にたいしては、
ジャズといえば4ビート、4ビートといえばジャズ、といった感じです。
(一般的な印象です。)
しかし、70年代になると、Mizell Brothersの名義で活躍した、
Larry MizellやFonce Mizell、その他いろいろなプロデューサーによって、
様々なリズム・セクション繰り広げられ、
古参のジャズ・ファンには敬遠された、
電気楽器もふんだんに導入したプロダクションが生み出されました。
現在では、当たり前のように“ジャズ”に分類されているこれらの作品は、
当時はジャズとは懸隔した存在として扱われていたのです。
あまりに先進的な発想で形成されたもんだから、
拒否を免れなかったのかもしれません。
しかし、寛容なリスナーや、オープンマインドな批評家たちによって、
正視眼での評価が進むと、
それらは、ジャズの新しい形として認識されていったのです。
ここに列挙したのは、ジャズ史における革命の、ほんの一例です。
ジャズでは、たくさんの実験=革命が行なわれてきたのです。
つまり、ジャズは、革命の堆積からなるジャンル、
と言えるのです。
南北戦争の終結後、
軍楽隊の楽器が市民に払い下げられ、
音楽的教養なき者たちによって、突如、誕生したジャズは、
その成り立ちが、革命であったとも言えます。
しかし、時を経ていくとともに、
鈍磨していく側面もあるのです。
今や、サックスの音色が聴こえただけで、
“ジャジーな”といった形容がなされたりすることがあります。
そんな、チープな物差しで“ジャズ”であるとジャッジされることに、
違和感を覚えます。
それがジャズであるか否かは、
そこに実験性、革新性、創造性
――平たく言えば“カッコよさ”
が存在するかどうか、という角度で判断されるべきなのです。
このことに照らして、
ブロークンビーツは明らかにジャズと言えるのです。
えっ?
フライヤーに、
ソウル、ファンク、フュージョン、ブラジル…
といったジャンル名も列記されているじゃないかって?
実は、これらも、ジャズの要素を多分に含む音楽なんです。
そのエッセンスを見出し、選曲します。
また、別の角度から表現すると、
“聴き方がジャズ”という言い方も可能かもしれません。
ということで、
もちろん古いジャズもプレイします。
選曲の話題に戻ります。
ブロークンビーツのあとは、
R&BやHIPHOPの影響が強いナンバーを通過し、
エンディングにかけてはアフターアワーっぽく、
クラシックなソウルやブギー、ディスコ・テイストあふれるも内容に。
…と、少し長くなりましたが、
こんな感じでした♪
次回は、また違った趣向で、
喫茶なクラブ・ジャズの世界観を作ってみたいと思います。
古いソウルやファンクなどにもフォーカスする予定ですので、
お楽しみに。
また、オープニングのDJに、
Nu Jazzバンド、jazzactiveの岡本洋平くんを迎えます。
(jazzactive HP)
彼が、どんなジャズを選曲してくれるのか、楽しみです。
ぜひ、みなさんも、その世界観を味わいに来てください!
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クラブ・ジャズ喫茶[モア] Vol. 2
2010.11.12 Fri.
@MAMBO CAFE(http://www.shan-gri-la.jp/mambo/)
20:00 - midnight
Entrance: free
DJ: 松本大輔 (More Project)
Opening DJ: 岡本洋平 (jazzactive)
ジャズ、ソウル、ブラジル、ハウス、ブロークンビーツ、R&Bなどなど…
クラブ・ジャズというスタイルが持つ、幅広い音楽性にフォーカス。
かつ、ソファ/チェアに座って、
ゆったり味わえるサウンド=喫茶な楽曲をセレクトします。
第二弾となる今回は、
関西の若手ニュー・ジャズ・バンド、jazzactiveで
リーダー兼ベーシストを務める岡本洋平がオープニングDJに登場。
旧譜のジャズはもちろん、最新のヨーロピアン・ジャズにも明るく、
さらにはテクノをも網羅するそのセンスは、弱冠24歳とは思えぬ博覧ぶり。
“喫茶”を縦糸に、そのような音像が織りなされるのか…注目です。
岡本洋平 (jazzactive)
関西を拠点に活躍するニュー・ジャズ・バンド、
jazzactiveのリーダー/ベーシスト。
“時代の流れを汲んだ音楽の、あるべき姿を提示すること”
をコンセプトに、ライブや制作を展開している。
DJとしては、新旧問わず、
現代の感覚にマッチする硬派なジャズを中心に選曲。
エンジニアとしての顔も持つ。http://jazzactive.net/
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