2025年10月9日木曜日

"VINYL SESSION" VOL. 181 / 15TH ANNIVERSARY / 開催によせて

 

このたび、

主催イベント "VINYL SESSION" が

15周年を迎える運びとなりました。


長きに渡って継続できておりますのは、

ひとえに、応援くださっている皆さまのおかげです。

ありがとうございます。


スタイルの変更や

新たな会場における開催への移行、

風営法の問題に対応した内容の取り組み、

コロナ禍での配信やラジオ番組的な展開などなど…


さまざまな局面がありましたが、

会場スタッフの皆さま、クルーの支援、

そして遊びに来ていただいたりご連絡をいただいた

友人の皆さんのおかげで乗り越えることができました。

感謝申し上げます。



さて。


15TH となります VOL. 181 ですが…

アニバーサリーに相応しい、

ほんとうに豪華なラインアップとなっています。


"もしよかったら声かけてなあ"


すべては、この、今回のゲストDJのおひとり

まいこちゃんからのひと言から実現へと至りました。

まいこちゃん、ありがとうございます。


また、

先ほどの言葉からいろんな発想や機縁を経て、

ある "発見" をすることとなりました。



こうして、魂は不死なるものであり、すでにいくたびとなく生まれかわってきたものであるから、魂がすでに学んでしまっていないようなものは、何ひとつとしてないのである。だから、徳についても、その他いろいろの事柄についても、いやしくも以前にもまた知っていたところのものである以上、魂がそれらのものを思い起こすことができるのは、何も不思議なことではない。なぜなら、事物の本性というのは、すべて互いに親近なつながりをもっていて、しかも魂はあらゆるものをすでに学んでしまっているのだから。もし人が勇気をもち、探求に倦むことがなければ、ある一つのことを思い起こしたことーーこのことを人間たちは「学ぶ」と呼んでいるわけだがーーその想起がきっかけとなって、おのずから他のすべてのものを発見するということも、充分にありうるのだ。それはつまり、探求するとか学ぶとかいうことは、じつは全体として、想起することに他ならないからだ。


プラトンが著した

「メノン」 (プラトン全集 9巻 岩波) の中の、

"想起説" と呼ばれる部分の抜粋です。


これを踏まえてお伝えします。

このたび、「groove」の意味を "想起" しました。


それは、

"無限に没頭させる楽曲またはDJプレイ"

です。



突然ですが…


僕は、自身のなかでは、

10歳のときに、あるキッカケで聴いたThe Beatlesが

音楽人間としての親であると認識しています。


音楽といえば

自分にとっては人生の多くを占めるものであり、


となると、彼らは途轍もなく大きな存在で、

実際、一部の領域においては

両親を超える対象であったりします。


そんな彼ら (以下B) が、

一昨年 (2023年) 11月に新作を発表しました。


そのリリースを契機として、

もう、いったい何度目かわからぬ個人的リバイバルが

訪れたのです。


手当たり次第に聴き込んでいくうち、

今回の再々々々… 検証で特に引っかかったのは

"It's All Too Much" という楽曲。


小4でスタートしたB歴、

もちろんこのトラックは何度も聴いてきました。


だけど

今更ながら、


"ワンコードということは…

ある意味、ドローンミュージックってことか!?"


"レコーディングデータを確認すると…

ギターはポール? ベースはジョン??"


"あらためてリリックを調べてみると…

too muchって否定的なイメージがあったけれど、

ここではヤバいぐらい素晴らしいってニュアンスでは!?"


などなど、

発見が続々と…。



余談ですが、


Bとの縁については

いろいろ経緯はあったものの、

結果的には父親の推薦で聴き始めました。


なのに、

いざ、僕が夢中になると…


"このあと、どれぐらい聴くんや!?" から、

いつしか "あと1曲だけやで〜!" と

制止されるように。笑


そんなとき、

すかさずセレクトするなかの1曲に

同作品も含まれていたのでした。


なにせ、尺が長いので…

少しでも多くの時間をBとともに過ごせるかなと… 笑


そんな記憶が蘇るなか

前出の曲を

DJセットに盛り込む場面を設けたりしていると、


珍しく、このシーンで

Bフリークのかたに出会う機会を得て高揚したり…。


ずいぶんと

話題がズレてしまいましたが、


それほど聴き込む日々にあって、

まったく飽きることなく、むしろハマり込んでいき、

ずっと聴いてたい気持ちがどんどん大きくなる…


その感覚が、

子供ながらに不思議だったことを

思い出しておりました。


同時に、

B以外の楽曲にも

同様のフィーリングを抱かせるものは存在するのか、


という

素朴な問いとともに過ごしていたところ…


現在の生活において

少年期のように

リスニングし尽くせる時間的余裕はなく、


"ずっと聴いてたい" を確認するには

あまりにも困難な状況で、

モヤモヤしておりましたが…


2024年のある日、

同じような興趣を抱くことがありました。


ただし、それは楽曲ではなく、

たくさんの楽曲が連なったカタチで鑑賞する、

DJセットでした。


今回のゲストDJ、

まいこちゃんによるプレイです。


これまで

Bによって

音楽の地平を拓いてきてもらった僕は、


このときの感性を大切にすべきだと直覚し、

可能な限り まいこちゃんのDJをフォローしていけたら

との想いとともに過ごすなかで


"BODY DRIVE" (奇数月第3土曜 / @Bar Muffin') の

6周年パーティーにブッキングいただく機会が

ありました。


レジデントのお2人 = shota & masami akahane、

ゲストのランプちゃんの素敵なプレイによって

いい感じに温まったフロアにて、


なんとか、

自身のカラーを盛り込みつつの内容となったかな…

と、ホッとしたのも束の間。


エンディングの

ゆうすけ君が登壇すると…


みるみる体温が上昇し、

気がついたらスピーカーにむきあうように立って

音に集中する自分がいたのです。


このときの高揚感について、

翌日、モバイル内のメモに残していた気がしたので

遡ってみました。



ゆうすけ君にはほんっとに喰らった...

特筆レベルの奇を衒ったトラックを連発しているわけではないのに、ミックスによって一体化していくと未経験の長編スコア=巨大なカタルシスとなって迫ってきて、鼓膜、いや魂を激しく弾じられたのだった。。。


その場で解明しきれない魅力に圧倒されたこと、科学的に解析したい気持ちになったこと。。。

DJにおいてそんな感情を抱かされたのは、めちゃくちゃひさびさだった...



Bと まいこちゃんによって、

普段に増して

音楽への意識が高まっていたのは確かですが、


音楽鑑賞の感想を

その場でメモに留めるなんていうことは、

初めてだったかもしれません。


このあと

落ち着きを取り戻して思い出したのが、


先日の告知でも触れておりました、

我がパーティー観におけるその最上を定義する感覚

すなわち、


"帰れない"

"帰りたくない"

"パーティーの終わりが想像つかない"


でした。



驚嘆は

まだまだ続きます。



今春のある日、

Bar Muffin' にて開催のイベントにて…


このときも

まいこちゃんのセレクトを体感できればと

会場にむかいましたが、


訪問前の

付き合いの席で摂取したアルコールによって

身体が疲弊していたようで、


ファーストドリンクを手にしたら

すぐさまソファに移動したのでした。


疲労度の高さから、

寝落ちてしまったら迷惑をかけてしまう…

と懸念しましたが、それは一瞬にして杞憂に。


だって、

選曲 / プレイが

あまりにも素晴らしいから…。


どんどん覚醒し、

いつの間にかスタンディングで

楽しんでいました。


是非とも

VINYL SESSION でもプレイいただきたく、

出番直後に話しかけてみると…


"マルコって言います"

"よろしくです"


"よろしくお願いします"

お返事しつつ、


(!?)


衝撃が走り、

取り乱しそうになったので

その原因をきちんと整理せねばと思いながらも…


なにか返答せねば、

変な間 (ま) で会話のテンポを狂わせてしまうので

なにか言葉を発するけど…


動揺以上のレベルで

ソワソワしていることを自覚したので、


先ほど飲み干したカクテルのグラスに残った氷を

一気に頬張ってガリガリ…


結局、

ストレンジな間をこじ開けてしまったので…

そのブレイクを使って


・ハウス〜テクノの素晴らしいセレクト&DJing

・マルコというお名前

・年齢が近そうだ


ということを心のなかで確認して、

思い切って問うてみることに。


"もしかして

"MO'WAVE" で回してましたか…?"


"あぁ、懐かしいなあ〜"



そうでした。


20年前、

京都・祇園にあったWhoopee'sだったと

記憶しています。


最高にクールな音楽と空間演出は

いま、思い返してみてもヒリヒリする内容で、

連れて行ってくれた友人に


"あのDJの名前おしえて"

そしてそのDJのプレイ中に

"この音楽ジャンルなに?" など


次々と質問してしまうほど

ひときわ強烈なインパクトを放っていた人物が、

マルコ君だったのです。


そうして、

マルコ君は僕に

先述のパーティー観 "帰れない"… を

与えてくれたのでした。


そんな人物との再会は、

いや、これぞ邂逅と言える、

衝撃なんて言葉では到底表現し切れない瞬間でした。



同時に、

まいこちゃんから


"もしよかったら声かけてなあ"

とお声がけいただき、


この時点で

もし可能なら、

まいこちゃん、ゆうすけ君、マルコ君を

同時に招聘したい気持ちに。


そして

そんなブッキングが実現するなら、

もちろん周年のタイミングが最高ですし、


となると

より分厚いコンテンツでお迎えしたくなり、

あらためてDJ御三方のプレイを脳内で振り返って

浮かんだのが…


バケツドラマー、

大巨人でした。


彼の打撃には

様々なテンポがあり、

多種多様のスタイルが含まれます。


ですが、まいこちゃんたちがメインとされている

ハウス / テクノと形容できる要素は

ほとんど盛り込まれることがありません。


ではなぜ、

大巨人のドラミングが

聞こえてきたのか…


きっと

共通するのは、

"ずっと聴いていたい" の感覚。


それが、

彼を思い出させたのでしょう。


ともあれ、

善は急げということで

彼が活動する京都へむかいました。


ストリート演奏にて

相変わらずの

突き抜けたオリジナリティ × クオリティを体感し、


サウンド面の再確認は

即座に完了。


続いて、

彼のエスプリに触れたくなり、

喫茶店にて再会すると…


"ついに獲得しました"

と。


ここでは

詳しい経緯や内容は取り上げませんが、

それはドラムのグルーヴついて。

(彼はドラマーでもあるんです。)


日本国内におけるそれは、

ほとんどの場合が

誤解または誤認識させる背景があることで、


本来の概念を

体現していないとのこと。


そして、

それが一体どういうことなのかを

解説してくれたのでした。


(ご興味があるかたは、

ぜひ、大巨人に聴いてみてください!)


大半が、

いわゆる音楽的な面における内容でしたが…


そこから

僕なりの咀嚼、


= ある意味で

それまでの流れを辿るという思考

にシフトしてみますと…


・大巨人は groove を体現している

・そんな大巨人を引き出したのは、まいこちゃん、ゆうすけ君、マルコ君のプレイ

・そのキッカケを与えたのはBの作品たち


ということは…

僕にとっての groove とは

"無限に没頭させる楽曲またはDJプレイ"


と、

そんな

"想起" を感得したのでした。



この、一連のブッキングにおける

ドラマティックな展開を与えていただいた…


まいこちゃん マルコ君 ゆうすけ君 大巨人

から放たれる最高のスコア、


それを可視化してくださるのが、

アーティスト・上政さん。


レジデントのウエダナツキとともに、

ブラックのみを用いたドローイングにて、

モノトーンで表現くださいます。



* * *



私的な内容を、

長々と失礼しました。


あまりにも

驚きに満ちた日々だったので、

綴っておけたらなと…。



そう言えば、


本年初頭に

当イベントの

年間のイメージを深めていこうとしていた折に、


"東洋思想において「15」は完璧な数字"

との記事を

目したことがありました。


こうして振り返ってみると

パーフェクトだなと…


それは

もちろん

僕のことではなく、


僕に縁していただいてる皆さんがもたらしてくださる

新たな出会いやそのタイミングが

ほんと素晴らし過ぎるなと…


そして、

やはり、


僕は最終的に

音楽に関することは

素晴らし過ぎる = "It's All Too Much"

= Bに帰着するのかなと感じましたが…


否、

"VINYL SESSION" VOL. 181 は

まだ開催されていません。


皆さんがお越しくださって、

我々と一緒に15周年を迎えていただいて

「完璧」になるのだと思えてなりません。



ということで…


お時間がございましたら、

明日 = 2025.10.10 FRI は

是非NOONのほうにご参集願います!



松本大輔



Special Thanks:

Emi Sakata (ex. MAMBO CAFE)

Takaharu Furutani (ex. digmeout)

Nagamu

Yohey Yamamoto (NOON)

Taich (ex. NOON)

Seiji Kawasaki (Cafe&Curry Buttah)

Takeshi Amenomori (ex. Saround)

"BODY DRIVE" crew (Shota & Masami Akahane)

ITOKEN (Bar Muffin')



ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー




"VINYL SESSION" VOL. 181

15TH ANNIVERSARY


2025.10.10 FRI

at NOON

22:00 - 5:00


1500YEN + 1D


◆ Guest

< Live - Bucket Drum >

大巨人

< Live Drawing >

上政

< DJ >

maiko

Marco

Yusuke Fukuda


◆ Resident

< Live Drawing >

UEDA NATSUKI

< VJ >

MASSAN

< DJ >

OKANO

MATSUMOTO