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"VINYL SESSION" Vol. 97 - 8th Anniversary Special -

2015年6月23日火曜日

【Ustream配信】"NAGAMORE" #18


【Ustream配信】
"NAGAORE" # 18

2015.6.28 SUN
22:30~

DJ:
 NAGAMORE
  = NAGAMU + DAISUKE MATSUMOTO (MORE PROJECT)


***「NAGAMORE」***

DJユニット・NAGAMORE(ナガモア)による、
Ustreamの選曲番組。

テーマは“アーバン&メロウ”で、
文字通り、都会的なサウンドや甘美なトラックをピックアップしながらも…
国籍/年代/ジャンルを問わない、
幅広い音楽性で展開中。


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今回= #18も
日曜夜の放送ということで、
寝落ち大歓迎です。

緊張が高まりがちな
1週間のスタート直前を…

ナガモアとともにリラックスくださいませ~♩

2015年6月20日土曜日

「ROOT SOUL 7inch "Amplification" Release Tour」


ROOT SOUL名義で、
ベーシストとして活躍する池田憲一さんが
アナログ・レコード「Amplification」をリリース。

これを記念したリリース・ライブが
各地で開催されるのですが、

大阪・100Loungeでの演奏に
オープニングDJとして出演することになりました♩


不定期で展開しているイベント
「MOSANORE(モサノア)」の相方、
佐野君とともにブッキングいただいたということで…

“MOSANORE”
として登場します♩

スペシャル・ゲストDJ、
沖野好洋さん (KYOTO JAZZ MASSIVE / ESPECIAL RECORDS)
のプレイもお楽しみに。


僕たちのスピンは19:00~。
ぜひぜひ、開場からお越しくださいませ〜!


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「ROOT SOUL 7inch "Amplification" Release Tour」

2015.6.26 FRI
@100Lounge(大阪・なんば)(味園ビル内)
19:00~

DOOR 2800yen
ADV 2300yen

LIVE:
 ROOT SOUL -4pieces-
  B: 池田憲一 a.k.a ROOT SOUL
  Gt: 竹内朋康(マボロシ / ex. SUPER BUTTER DOG)
  Kb: タケウチカズタケ (A Hundred Birds / SUIKA)
  Dr: 岡野 "Tiger" 諭 (Mountain Mocha Kilimanjaro)

Special Guest MC:
 Beshalist

Special Guest DJ:
 沖野好洋 (KYOTO JAZZ MASSIVE)

Opening DJ:
 MOSANORE
  =DAISUKE MATSUMOTO (MORE PROJECT) + KOICHI SANO

※Facebookイベントページ→リンク
※ROOT SOUL プロフィール→リンク


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「EAR TUNER」改変のお知らせ


Ustreamで放送しておりました、
「EAR TUNER」が
Instagramでの展開に切り替わりました。

僕のレコメンドを
ジャケット写真 + アーティスト名 + タイトル
との、シンプルな内容でお送りしております。

ユルい頻度で進行していますが…
関連性を意識したセレクトとなっていますので、
そのあたりもお楽しみいただければ…と思っております。


クロスオーバーな「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」(イベント)、
ファンキー路線な「MOSANORE」(イベント)、
アーバン&メロウ指向な「NAGAMORE」(Ustream)
などなど、

様々な場で
選曲の機会をいただいておりますが、
それらとは異なるアングルでご紹介していきますので
お楽しみに~♩


URL:

ハッシュタグ
hashtag:
 #EAR_TUNER_by_matsu_more

2015年6月8日月曜日

「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」アップデート @NOON+CAFE


イベント・ロゴと
フライヤーのリニューアルとともに、
内容もアップデートします♩

偶数月の会場、
NOON+CAFEさん(梅田)では
フロアで開催することになりました。

・時間:19:00 - 23:00
・鑑賞スタイル:ソファ/チェア+飲食
は、変わりありませんが…

サウンドは
大型スピーカーの、
大きな音量でお楽しみください~!

※画像はイメージです。
※バー、カフェ・スペースは、通常の音量です。


直近の
NOON+CAFEさんでの
「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」は…

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2015.6.12 FRI
「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」Vol. 57

19:00 - 23:00
チャージ ¥0

◆Resident DJ
 松本大輔 (MORE PROJECT)

◆Rotation DJ
 NAGAMU (NAGAMORE)
 SHIGEMA
 YOHEI OKAMOTO (Nuovo Classico)
 SHINJI OKANO (digmeout ART&DINER) ※奇数月のみ出演


◆more information
 →about「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」

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皆さまのお越しを

crew一同、お待ちしております♩

2015年6月3日水曜日

MORE PROJECT CHART [5] 2015 -SPRING- "TULIP CHART"



MORE PROJECT CHART [5] 2015 -SPRING-
"TULIP CHART"

select and text by
DAISUKE MATSUMOTO (MORE PROJECT)


(records sleeve)
・artist
・disc title (format)
・label
・"recommendation track"
・comment


・L.A.B
・Listen And Believe (download / CD-R)
・(bandcamp)
・"Zerox"
・今回のMPC (MORE PROJECT CHART)は、実は、記念増大号となっています。これまでの、“よく聴き、よくプレイした”とのコンセプトに加え、主催パーティー「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」のVol. 56 -SPRING JAZZ CONVENTION- にゲスト出演してくれたL.A.Bさんの特集を追加した内容となっています。ということで、まずは、あらためて、L.A.Bのみなさんに感謝申し上げます。前出のギグを振り返った「【回想】『クラブ・ジャズ喫茶[モア]』Vol. 56」でも記述したのですが、彼女たちのライブは、会場や会期までのスケジュールの都合上、簡易なセッティングでの展開となってしまいました。けれど、スペックの低さはまったく感じさせないアンサンブルに驚くと同時に、そんな内容を作り上げるスキルの高さに感嘆。個人的に、特に心配していたのがベースの音色でしたが、抜群の粒立ちで、それは驚嘆の域に達していたと言えるでしょう。"17 Degrees"のイントロ~メロ間のハミングは、音源を聴いている段階ではAyaさんか、あるいはリード・ボーカリスト、Michaela Thereseさんのエフェクト素材かなと思っていましたが、ライブでベーシスト・Timさんの声だということが判明。多彩な音作りが困難な状況ゆえ、ここで聴かれるようなサブ的なメロディ・ライン=シンセを盛り込むことはできませんでしたが、コードを奏でるキーボードは、ときにピアノへと変換され、ジャズ度がアップしたアレンジで演奏された…というようなレビューは、先ほどの回想録で記しましたが、これはあらゆる環境に対応できるパフォーマンスの高さの証左でしょう。次回の来日の予定は不明ですが、もしタイミングが合いそうでしたら、是非とも彼女たちのライブをチェックしてください。幅広い音楽性を孕んだスコアは、「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」のお客さんはもちろん、「NAGAMORE」リスナーのかた、そして「MOSANORE」をチェックいただいているリスナーの皆さんにも楽しんでいただけると確信しています。もちろん、スタジオ・レコーディング=本作でも存分に楽しめるので、お時間がございましたら試聴リンクにアクセスしてみてください。この曲では、大サビまでもっていくフリとアジテート、そして大サビに到達したときの高揚感・臨場感を体験できると思います。ちなみに、リリックの内容は、作者・Ayaさんが好きな17℃について書かれているそう。このEPには、純粋にドラム・ソロと言えるようなパートは盛り込まれていませんが、"Zerox"ではドラミングを楽しめる要素が満載。タメを効かせた変拍子ライクな打撃、いい意味でタイム感をズラすスティックさばき、シャッフルのように跳ねた質感の導入、さらにはコーラスのバックでのライト&裏方な演出ながらもジョイフルに叩くスコアなどなど、どの瞬間も楽しみに満ちています。


・Michaela Therese
・My Name Is MEEKELLAH (download / CD-R)
・(iTunes Store)
・L.A.Bのメイン・ボーカリスト、Michael Thereseさんのソロ作品。声量の大きさやピッチの正確さといった、ボーカリストとしてのポテンシャルの高さはもちろん、意識的に繰り出すトリッキーな声色のオリジナル性の高さや、張りを効かせたプリミティブな歌唱、ファルセット×ファルセットのハモり具合が生み出すアブストラクト感…といった、個が際立つパフォーマンスに圧倒されるでしょう。また、クラシカルなR&Bを想起させる進行とギターのフレーズ、ラップ、フィールド・レコーディングあるいはサンプリングによるトーキングなどの“黒い”編曲が光ります。サステインがフルに効いたシンセは、L.A.Bでも聴かれたサウンドで、もしかしたらこれは彼女の嗜好かもしれませんね。無伴奏な弾き語りを鑑賞できる"Make You Think on 987Home"もオススメ。ソフトで、そしてブルージーな歌声と、ライブならではのフェイク=即興感がとても心地よいです。


・Aya Sekine
・Afro Blue (website: SoundCloud)
・(SoundCloud)
・"Afro Blue"
・ビートレスにしてバウンシーな感覚を与える技巧は、超絶と言って異論はないでしょう。ピアノの伴奏+シンセによる主旋律を基本に、ブリッジで劇的に変化させる構成は、ジャズ的な発想/思考。オリジナルからの跳躍はもちろん、同時期に発表されたであろうRobert Glasper feat. Erykah Baduのバージョンとも異なる内容であり、リリカルなアレンジメントや原曲には存在しないラテン色を採用する感覚には脱帽。カバーでありながらも、Aya節が炸裂した作品となっています。


・Tim De Cotta
・Rio (download / CD-R)
・(bandcamp)
・"Rio"
・"Rio (re-imaged)"
・ベーシストであることを自己紹介するかのように、太いベースラインで幕を開ける"Rio"。ギターの音色も印象的ですが、これも彼が弾いているのでしょうか…詳細は不明ですが、5弦ベースをメインに演奏するTimmyですし、僕の友人であるミュージシャンとは機材の話題で盛上げてくれましたし、さらにはシルキーで極上のボーカルを披露するマルチな彼のことなので、プレイできてもおかしくないと思いますが…果たして。僕が、この曲を「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」Vol. 56のDJでセレクトすると、笑顔でブースに近づいてきてくれ、お茶目に動画を撮る場面は、今でも鮮明に憶えています。セルフ・リミックスと思しき"re-imaged"は、FAXの着信音で始まって終演する構成。全世界に共通の素材を、さりげなくイントロとエンディングに配するセンスは文字通り世界的だと感じますね。また、BPMを変えることなくスピード感に変化を齎(もたら)せる高等なスキルも披露。ビートレスなパートが大部分を占める中で打楽器を加える際には距離感を生むミックスで調理し、同時にシンバル系の高音を抑制することも忘れないジェントルぶりも発揮しています。ちなみに、会話するときの声もクリアで、発音が聴き取りやすくって助かりました。笑


・Teo Jia Rong
・Jia Rong's YouTube Channel (website: YouTube / CD-R)
・(YouTube)
・"7db"
・ライブでの演奏をピックアップした"7db"では、パワフルでスピーディーな打撃を堪能できます。他の楽器とのユニゾンやキメも味わうことができるほか、緻密な計算に基づいた、微細な感覚なくしては決して生み出すことができない連打にも注目してみてください。前出・Timもメンバーである、L.A.Bとは別のバンド、TAJのオフィシャル音源「The Astral Journey」には、本作のスタジオ版が収録されているので、そちらも是非チェックを。"Fusion Track"は、BPM130を超えるスピーディー・コズミック・フュージョン。シンセの音色が映えますが、Dam-Funkにはない高速感と、プログラミングには絶無なタメや間(ま)が満載。さらに、難解な刻みもサラッとやってのける卓抜したスキルを内包。なのにオシャレに魅せる彼は、テクニカルな演奏を耳に優しく表現するという、ミュージシャンにとっての永遠のテーマをサラッとクリアしているように感じます。先日のライブでは簡易なセットでの演奏を強いてしまったので、いつかの再演では、ぜひフル・セッティングでお迎えしたいと思います。


・みちしたの音楽
・Close To You~「みちしたの音楽」よりバート・バカラックへ~ (CD)
・Living Records Tokyo
・ディスク・タイトルにもあるように、本作は、作者・Burt Bacharachにスポットを当てることを主眼に据えられて制作されたようです。なので、初出=Richard Chamberlainのバージョンにも、より有名なThe Carpentersによるカバーにも依拠しない音作りが成されているのでしょう。前出2作にはテンポ・チェンジが施されていますが、ここではシンプルなボッサ風ビートが貫かれています。そして、ウッド・ベースとガット・ギターによるシンプルな伴奏に、道下さんの温厚な人柄が溶け込むことで、新たな音楽性“ポップ・ジャズ”を創出するに至ったのでしょう。


・Stanley Turrentine
・You'll Never Find Another Love Like Mine (7inch)
・Fantasy
・「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」Vol. 56に絡んだ“増大号エッセンス”は、まだまだ続きます。この盤は、同イベントにて、友人の大西君がプレゼントしてくれました(彼は大阪・阿波座にあるカフェ、South Swellに勤務。最高のスマイルとコーヒーで迎えてくれますので、お近くに行かれた際は是非に)。時間の都合で、その日にはプレイできませんでしたが、翌日からはヘビー・リスニングが続いています。ストリングスとホーンが美事に調合し、そこにフュージョン指向なラテン・リズムが調和することで、ジャケットにある“イージー・リスニング”の肝が形成されています。が、この全体感を生み出すことは、そう簡単(=“イージー”)なことでではありません。そして、そんな音楽を発見する大西君のようなセンスを会得することも、決してイージーではないのです。と、逆説的に学ぶ機会を与えてくれた1枚でした。ちなみに、この曲はインストに分類されると思うのですが…タイトルコールでもなく、しかしバリエーションに富んでもいない、抽象性が高い女性コーラスが含まれていて、これがとっても好みなんです。邦題“別れたくないのに”が、この日のゲスト、L.A.Bさんへの僕の気持ちを表現していることもあって、忘れられない1曲になりそう。


・Hubert Laws
・Family (LP)
・Columbia
・"Family"
・クラブ・アンセムと表現しても過言ではないほどプレイし尽くされ、聴き倒され、踊り明かされてきた、名曲中の名曲。そんな存在である本作を、僕は、これまではクラシックスな位置づけでプレイしてきましたが…「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」Vol. 56では、タイトルそのものの概念を体感したことからの選出でした。L.A.Bの皆さん、お客さん、スタッフのみなさま、そしてクルーのみんながファミリーだと感じ、そんな時間を与えてくれる音楽の素晴らしさを、この曲とともに全身で享受したのでした。


・V.A.
・FOR KJM EP 03 (12inch)
・Especial Distribution
・"Endless Flight" (Kyoto Jazz Massive)
・Rodney Franklinによる名曲の、Kyoto Jazz Massiveによる名カバー。一見ならぬ一聴して気づく、ホーンのカットやシンセサイザー×ストリングスが織りなすコズミック感よりも、ファットにしてタイトなドラムの質感が、原曲からの最も大きな飛躍だと思うのです。そりゃ、打ち込み(コンピューター)によってカバーすれば、自然とそうなることもあるのですが…僕には、ハッキリとした意図とともに制作されたと感じずにはいられません。空間的な広がりが抑制された=乾いたドラムと、ベースラインのクリエイティビティによってそのコンセプトは爆発し、この意味における個人的なピークはサビの最初と3番目の“Endless~”後に登場するベースのスコアで、語尾ならぬフレーズ尾が上昇する部分って…細か過ぎますよね(苦笑)。とにかく良いんです。この曲は、Michaelaが即座にリアクションを示してくれ、好みであることを伝えてくれたことから、ピックアップに至りました。


・The Beatles
・The Beatles (2LP)
・Apple
・「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」Vol. 56の最終にセレクトした楽曲。ということで、増大号コンテンツはここまで。John Lennonによる、エレガントでファンタスティックなメロディに、過去にはクラシックを手がけていたプロデューサー・George Martinによってオーケストラの楽譜が与えられ、壮大なバラードとして完成しました。全26名のミュージシャンによる重厚な演奏と、フィーチャリング・ボーカリスト、Ringo Starr(The Beatlesのドラマー)のスイートな声がマッチして、間違いなく至高のオヤスミ・ソングとなっていると思います。と同時に、"Yesterday"や"Let It Be"に並ぶ、いや凌駕するThe Beatlesの名品だと確信して止まないのですが…(いや、彼らが発したすべての作品が名曲だと思いますが…)いかがでしょうか…?


・Kris Tidjan
・Floating Therapy EP (12inch)
・Phonogramme
・"Feel The Love"は、抽象性が高い音階と譜割りが、実に人間的であり、ウォーミングな響きを放っていて、耳を通過すると…すうっと心に届く感触を抱きます。鍵盤類、ギターともシンプルな音作りなので、旋律への馴染みやすさが、心への到達時間を一層早めるのでしょう。Remixにはシンプルな4つ打ちが敷かれているのですが、タイミングを裏切るシンバルや、タイトにまとめられたローズの音色はこちらに固有の魅力。また、単調なフォーマットが、このような長尺トラックに納められているのにも関わらず、いつまでも心地よく音に浸っていられるということは…これは、スピリチュアル・ジャズとハウスの親和性の高さを示す証左となり得るのではないかと感じました。つまり、一定のフレーズを断続的にユルく演奏するスピリチュアル・ジャズな指向で作成されたベースラインを4つ打ちフォーマット上に載せると、フィットするのではないか、というものです。実際、それぞれの愛好家に、愛好していないほうの要素を推薦してみると、ハマっているようですし…。このアングルでの考察は、まだまだディープな結果を導き出せそうな気がするので、また別の機会に取り組んでみたいと思います。"Son Of Sun"も、ローズが美麗なのですが、民族的・呪術的な色みを帯びていて、これがラップ的なラフな歌唱と相俟って、さらにドープな世界観を形成していますが…ブロークンなリズム上での展開なので、この手のサウンドが苦手な人にも楽しめそうな気がします。僕は、ストリングスによる、反復する細かい旋律が大好物。これは、個人的には“スピリチュアル”の肝なエッセンスとなっています。より現代的なアプローチでのスピリチュアル感が脈打っているのが、"Mystic Bantu"。セルフ・コーラスの多重性の追求や、メロウな声の使用法におけるアバンギャルド度の高まりに、開拓精神を感得しました。


・Stone Alliance / Steve Grossman
・Sweetie-Pie / Enya (7inch)
・Kickin
・"Enya"
・気のせいでしょうか。今回のMPC (MORE PROJECT CHART)では、ユニゾンの登場が多い印象を、自身で受けています。僕の旬な趣味なのか、潜在的にあった趣向なのか…ともあれ、イントロから披露される、緊張感が高いサックス×ベースのユニゾンがワンダフルな"Sweetie-Pie"。関西風に表現すると“えげつなく”カッコイイです(笑)(注:筆者は大阪生まれ・大阪育ち)。"Enya"では、ベースとギターのユニゾンが全面的に配され、そんなバッキングと整備されたフレーズを奏でるホーン、そしてフリーキーなフロウを展開する交差が楽しげ。また、中間に登場するメロディアスなパートで一気に異なる世界に誘う構成、さらに、その後はクールに元のリフへと帰還する様がストイックで、“さぶいぼ”が立つほど(関西風)(笑)。この7inchの音圧は、体感できる環境があるかたには、ぜひともアナログで鑑賞してほしいですね。


・Lordamercy
・New Guitar New Mars (12inch)
・2000Black
・"New Guitar New Mars"の、変拍子なドラム・ブレイク×パーカッションのイントロがスタートした時点で、かつてのウエスト・ロンドン発のブロークンビーツ愛好者は、胸が踊るのではないでしょうか。スパイシーに掻き鳴らされる、ディストーションかつチョーキングが効いたエフェクトに気が囚われがちだと思いますが、作者とタイトルを眺めながら…もしかしたら、基底となっているシンセサイザーが刻む音色、そして和音で乗っかってくるシンセも、もしかしたらギター由来なのかなと想像しながらリスニングすると、6:30があっという間だから不思議ですね(「赤いきつね」の5分はあんなに長いのに…)。コーラスによって幅を広げる発想は、旧譜ジャズ/フュージョンの、なかでもSky High Productionsへのオマージュが表出したものと思われます。Side B-1の"Guitar Smash"は、深いリバーブが効いたハンド・クラップ、ギターの高音弦が用いられたリフ、角を落としたシンセの浮遊バッキング、寸止め且つミュートなディストーション・リフ、単調ながら多種なコードを採用したループ…の、どれもがタイプ。現場での“どのタイミングでセレクトすればよいのかわからない心情”は、“理想の女性と出会ったときに、どのように接すればよいのかわからずに抱く焦り”と似ている気がします。突然ですが、僕はうどんが好物でして、どれくらい好きかと申しますと…ほぼ、週5, 6のペースで、1回につき2玉いただくほどでございます。しかも、そのほとんどが釜玉なのです。そのときの楽しみに似た味わいを、"Death Of Hercules"から感じ取るのです。楽器の数と、それらが生み出すフレーズを限定し、要素を重ねることにも慎重に展開する様を楽しむ時間は…まずは手打ちの際に用いられた塩の味のみで楽しみ、次に出汁醤油を少々、そしてしばらく時間をおいてからネギと絡め、天かすは湯切りで落ちきらなかった水分を吸い込んでから合流させる…そんな、じわじわと、しかし、しっかりと滋味を噛み締めていく行程に酷似しているのです。ちなみに、3:30付近で聴かれる鍵盤のトーンで、実はクリシェではなかったことを知ったときは…こんなにコシがあるのに、実は大阪のうどんだったときのような気分でしたね(笑)。


・Hugo Montenegro
・Hugo In Wonder-Land (LP)
・RCA
・この盤、そしてここに列記した2作、そしてこれらの原曲は、オールタイム・フェイバリットの一部であり、そんな曲をここでピックアップする理由は…作曲者・Stevie Wonderの誕生月が、今回のチャートで取り上げる対象のタームに含まれていたからです。彼の作品は、普段もよくプレイするのですが、この期間は、異なる趣向でセレクトしていたかもしれません。とにかく、Hugoは名アレンジャーで、これ以上ないメロディと編曲で完成されたStevieプロダクションを見事に変貌させる人物なのです。そんな彼が手がけた楽曲のなかでも、ここで選出している"You Are The Sunshine Of My Life" "You've Got It Bad, Girl"は素晴らしいですね。後者は、どアタマの三連符から、いきなり気持ちいい。ボーカルによって演じられている元のメロディ・ラインを、こんなにも自然に奏でることができるアーティストはなかなかいない気がします。また、シンセのフェイザー感とギターの揺れ具合が混交しながら、パンの荒削りな処理(低速な移動)によって、ロックともサイケとも、そしてポップともつかない、ソウル発のやさしいレフト・フィールド的な世界観を構築しているのでしょう。


・Gene Harris
・In A Special Way (LP)
・Blue Note
・"Rebop"
・"Zulu"
・"Five/Four"
・クラブ・カルチャーにおけるジャズ/ヒップホップ・シーンでは、Blue Noteに関する知名度は、圧倒的にSky High Productionがトップに君臨しているでしょう。認識率だけでなく、評価も高いですし、僕自身も敬愛しています。やはり、この界隈の、いわゆるLAシリーズ全体に漂うフュージョン/グルーヴィーな感覚は、同時代のプロダクションやジャンルを俯瞰したときに、センスが抜きん出ていると感じます。この盤では、Jerry Petersがプロデューサーとしてクレジットされていますが、客演しているギタリスト・Al McKayと、ボーカリスト・Philip Baylayのセンスも多大に影響していると考えられます。"Theme For Relana"は、いい意味でニュートラルであり、鎮静と興奮が入り交じることから、スタート/エンディングのいずれのシーンでも取り上げてきました。もっとも印象に残っているのは、2011年8月に開催した「『クラブ・ジャズ喫茶[モア]』Special」で、ゲストDJ・沖野好洋さんから交代後の1曲目に繰り出したときですかね。打って変わって…ディストーション・ギターを、ここまでの深度でもってジャズ文脈に位置するプロダクションに落とし込み、しかも超絶技巧をひけらかすだけのフュージョンではなく、どこまでも世界観を重視し、雰囲気を優先したセンスが秀逸な"Rebop"。三連符が基底にある、言わばラディカルでファンキーなブロークンビーツと言える本作には、調理せずともラップがフィットする気がするのは、僕だけではないはず。本稿を書きながら聴いている"Zulu"は、次々と押し寄せてくる急進的な展開に圧倒されっぱなし。それぞれの楽器の演奏はもちろん、ここでは、特にリズム美というか、リズムの妙というか、計算によるハズし/切り替え…すなわち単調×緊張、そして旧習と先鋭が紙一重の概念であることを物語り、そのハードルの高さを突きつけつつ、サウンドの快楽を付与するという、恐ろしいほどに優れた楽曲です。"Always In My Mind"は、斬新なストリングス+ワウギターのユニゾンでスタート。しっかり歌いながらも抽象性が高い歌唱は、メロでは癒し系な響きを伴っており、展開部ではアジテートな素材として迫ってくるから不思議です。本LP中、随一のソウル・ナンバー"Love For Sale"の後半に挿まれるドラム・ブレイクは、Blue Noteレーベルのアーティストが一堂に会したライブの実況盤「Blue Note Live At The Roxy」のアウトロにてサンプリングされていると思われるのですが…共感を抱くかたはおられますでしょうか…? オーケストラ系のイージーリスニングで聴かれるようなアレンジメントと楽器構成、コーラスワークが豪華な一曲。現場の選曲では、終盤における、名残惜しい=“終わりたくないけれど終わらなければ”な瞬間に繰り出しつつ、テンションの下降を図るときに起用している気がします。"Five/Four"については、最先端のジャズ系のプロダクションで耳にするようなシンセ・ベースが、この時代に積極的にフィーチャーされ、馴染んでおり、且つカッコいいのが驚異的。この曲については、全体的には攻めの側面は強くない=オーセンティックな要素が強いのに、そこに溶け込んでいる点が、いかに先進性があふれたセンスに裏付けられているかを明確に示しています。また、ダブ感も先鋭的だと言えるでしょう。とにかく、LPのトータル・バランスが絶妙で、どの瞬間にも最高の音色があふれいています。


・The Beatles
・Magical Mystery Tour (LP)
・Capitol Records
・"Flying"
・"Flying"のイントロは、トレモロのようなエフェクトが施された、湿度の高いギターで始まり、別のチャンネル(オリジナル盤では右)で被ってくるギターは、ライン録りされたかのような乾いた音。この対比を楽しんでいるのも束の間、こんどはJohnが奏でるメロトロンが登場し、気を取られていると…実は、下地には3コードが存在することには、なかなか気がつかないから不思議。エンディングで逆再生パートをくっつけてくるところが、いかにもThe Beatles × George Martinらいし遊びだと感じます。ちなみに、アンソロジー発表前における公式発表作品において、唯一のインスト・ナンバー。電子オルガン、リバース再生、ドラムへのエフェクト&リズム変成…と、サイケなエッセンスが満載な"Blue Jay Way"ですが、どこかスピリチュアルなのは、ビートルズのコーラスワークに由来するのでしょうか。メイン・ボーカルにも、これと並行するチェロにもディレイがかかっていますが、ぶつからない脅威のミックスは4人目のビートルズ・George Martinによる仕事。バンドの、メンバーが集う奇跡、そしてプロデューサーとの出会いの重要性をあらためて感じました。この曲は、2015年4月末に開催した、佐野君とのタッグで展開している「『MOSANORE』-4-」にて選曲。当初は、盛り込む予定はなかったのですが…先輩DJがLAから凱旋し、現地で買い付けてこられたレコードとともに飛び入り参加していただくことになったので、“LAは霧に包まれ…”のリリックでスタートする本作をピックアップすることに。その「MOSANORE」では、ワールドなカラーを盛り込むことが僕のブームでもあり、インディな旋律を繰り出す"Baby You're A Rich Man"は外せませんでした。シタールぽさを内包するクラヴィオライン(初期のアナログ・シンセサイザー)と、ロッキッシュなリッケンバッカーのベース=John&Paulのコンビネーションがいい味を出しています。根城としていたアビーロード・スタジオではなく、オリンピック・スタジオでレコーディングされたことが理由かどうかは忘れましたが…同スタジオに頻繁に出入りしていたThe Rolling StonesのMick Jaggerがコーラスで参加。この曲のDJ志向における再評価は、2009年7月に行なった、友人とのThe Beatles音源縛りのイベントにて。友人がセレクトし、ヤラれたのでした(山田君、もう6年も経ったのね~!)。


・Baast
・Dimensions (LP)
・Ubiquity
・演奏スタイルの自由度の高さと同時に感じられるのが、レコーディング前の音作りへのこだわり。単体でのトーンや混合したときの響き方、マイク位置や距離感、そしてエフェクトの度合いなどに配慮するのは、ミュージシャンなら当然のことなのですが…テーマ・リフのタイミングを含めて、綿密なやり取りなしには成立しないクオリティが、フリー系ジャズにおいては類を見ないと思われるのです。Miles Davis以外に。彼の、エレクトリック期との親近感があるとのアングルで語られる機会が多いBaastですが、それは、きっと音色に由来するところと、先述した内容がそうさせている気がしてなりません。この盤も「MOSANORE」にてセレクトしましたが、理由は、やはり先輩です。LAにてピックアップしてきたタプロイド紙に、この盤の広告が大々的に掲載されていたということで、セットに組み込んでみました。たしか、スピリチュアル・ジャズ~ヒップホップへのブリッジの一環でプレイしたと思います。最近では、Eddie Hendersonと並行して鑑賞することが多いですね。


・The Beatles
・Free As A Bird (7inch)
・Apple
・1995年、彼らのサウンドにどハマりしている真っただ中に、事件は発生しました。なんと、新曲がリリースされたのです。Johnの奥様・Yoko Onoさんの提案によって、Johnが遺した未発表テイクに、残りのメンバーの演奏をオーバーダブし、The Beatlesとしてニュー・リリースしてみてはどうか、と。それが本作なのです。この頃、“Anthology”とのシリーズ名/コンセプトの下に2CD×3作がリリースされ、そこには未発表曲やお蔵入りになってしまったテイク、貴重なライブ音源、さらにはインタビューの模様などが収録され、文字通りアンソロジーな一大プロジェクトだったのですが、その冒頭を飾ったのがこの曲でした。当初は、音の分厚さや透明感の高さゆえ、なかなか自身のなかに取り込めなかったのを憶えています。が、2013年に足を運んだPaulのライブ以後、彼のソロ時代~Wngsを開拓しつつ、The Beatlesのおさらいをじっくりと展開しているところでして、そのなかでヒットしたひとつなのです。和音を織り交ぜたアルペジオや、ちょこっと聴いただけでは気づきにくいアコースティック・ギターのストロークといったエッセンスは旧来のThe Beatlesのカラーであり、スライド・ギターは解散後に会得したGeorgeのプレイ。新旧の要素が一体となって、美技と光っています。たまたまなのか、狙ったのか、エンディングにミックスされたJohnのつぶやきは、一体なにを発しているのか、議論・暴論・激論を生み出し、世界を席巻したことを記憶しています。半年以上前からリスニングの機会が増えましたが、最近、7inchを購入したことで、さらに聴き入るように。そして、プレイに盛り込むタイミングを狙っているところです。


・Light Of The World
・Round Trip (LP)
・Ensign
・"Time"
・現場でのDJで取り扱うメディアを、VINYLに限定するスタイルに回帰するとともに、ますますユルい指向=BPMの低下が進行している僕のセレクト。けれど、Back to Backを取り入れる機会が多いので、様々なテンポの曲が必要になるんです。その文脈においても、音楽性の幅広さにおいても、このLPは非常に使える1枚。"Time"でギターを弾いているのは誰かなと気になりましたが…クレジットを確認するも不明。けれど、カッティングについてはIncognitoの名で活躍することで知られるBlueyではないかなと。メジャーでもマイナーでもない、セブンスでもディミニッシュでも、はたまたオーギュメントでもなさそうな、このトーン、ほんとにタイプです。実は、僕には弟がおりまして、彼は音楽系の専門学校を修了しているので、ちょこっと質問してみれば解決しそうなのですが…ひさびさにコードブックなんかを買ってみて、自身で探索してみようかなと思っているところです。日本では(海外もそうなんでしょうか?)チャイムでよく使われている音階で始まる"London Town"。3年ほど前、修行と位置づけたBack to Backを、"CROSS O BAR"(主催イベント/不定期開催)の相方宅にお邪魔し、朝まで展開する日々がありました。音楽人間としての僕・松本大輔にとって、The Beatlesは生みの親、Kyoto Jazz Massiveは育ての親なのですが、このニュアンスにおいて先生/家庭教師のような存在が、そのかたなのです。そんな人が、BtBのアフターにYouTubeでかけられていたのをキッカケに注目~リバイバル~VINYL購入となりました。サビでのバッキングのギターが字余りのようなカタチで奏でられていますが、この部分が個人的にはツボですね。ブルージーな運指でありながら、5度はカマさないという、この寸止め&斬新な運びがたまりません。"Painted Lady"は、ディスコ~ブギーとしてはベーシックなメロで進んでいくのですが、ビブラートをスパイしーに効かせたあと、サビでは突如としてメロディックな動きで魅せる=歌うベースにやられます。低音が引っ張っていくことから、ファンキー度が高く、ダンサブルな仕上がりになっていますね。ESPECIAL RECORDS発の、旧譜を紹介するコンピのシリーズ“ESP DJ Classics”で、Bugz In The AtticのDaz I Kueが手がけた盤がありましたが、そこに収録されていた"Pete's Crusade"は、インストながら本LP中でもっともキャッチーなナンバーかもしれません。ホーンが映え、ギターがアクセントを加え、キメがテンションを揚げ、展開部では各楽器がソロを繰り広げ…と、アンサンブルの気持ちよさを存分に味わえるでしょう。ソロの裏で、相の手的に刻まれるギターのカッティングが、歯切れ良いストレートなものから、限界までミュートを効かせたもの、そしてコードに純粋なトーンの増加などなど…細かい芸で圧倒する点も聴き逃せません。


・Potatohead People
・Luv Ya (7inch)
・Bastard Jazz
・"Luv Ya"
・作風に変化はあったものの、前作同様、好みなシンセが鳴り響いていたので即決。ですが、ジャズ系リスナー/DJの間では話題にならない気がしますので…前作も併せてレコメンドします(前作:disc titele: Back To My Shit / Love Hz ( 7inch) label: Bastard Jazz)。"Luv Ya"は、とにかくAmaliaのボーカル・ワークが素晴らしいんです。メロディが先に誕生したのか、コードができあがった後に載せられたのかはわかりませんが、この、主旋律ともフェイクともつかない歌唱は、エクセレントのひと言に尽きます。そしてDam-Funk張りのシンプル×コズミックなシンセがハマるブロークン・トラック"Blue Charms"も、大プッシュ作品。


・Andres
・Believin' (12inch)
・On La Vida
・"Believin'"
・テクノなカラーを帯びる、ループするベースラインは、秒単位で分解していくと多彩な調理がなされていることに気づきますが…曲単位で俯瞰した場合、ここまでひとつのフレーズを配列し続けているのに、微塵も飽きを抱かせることなく、むしろ没頭させていくセンスに感嘆。僕にとっては、そんなクリエイター/プロデューサーは、このAndresと、DJ Natureが二大人物であり、とっても希有な存在ですね。ちなみに、2014年におけるベスト・プレイは、11月にTriangle(大阪)にて行なわれた、Anderesのセット。あらゆる音楽を往来・交差する、ほんとうの意味でのクロスオーバーな音色を描くプレイに、魅了されっぱなしでした。


・Henry Wu
・Negotiate EP (12inch)
・Ho Tep
・本稿アップ時点では、残り1か月ありますが…おそらく、2015年上半期のベスト3内は確実だと思われる1枚。"Don't Want the Regular"の、ギターとベースによるゾクゾク・ワクワクに満ちたユニゾンに触れた瞬間に購入を決め、そのときの高揚感は、リスニングを重ねても落ちつく気配はありません。そんなスコアを繰り出すHenry Wuのセンスの高さには詠嘆しきりです。パーカッションに加えて、おそらくビートも担当しているであろうMo Koloursの感覚=ヒップホップが底流する"Expensive Ghetto"は、太くてユルいワールド感たっぷりのシンセ素材がたまりません。Takuya KurodaのBlue Note移籍前や、Georgia Anne Muldrowの変名プロジェクト・Jyotiあたりを好むかたがいらっしゃれば、なおオススメします。"Black Rigsby"は、エレクトリック・ピアノの高速パン、そしてざらついたシンセのリフが絶妙なBPMに乗っかり…僕の、ビートダウン~ディープ・ハウスを往来するフェイバリット・セットにぴったりフィット。テクニックに走らないフュージョン感が、心地よいダンサー・タイムを演出するでしょう。"Joint Seventeen"では、メロウ/スロー/ブレイク/ヒップホップな側面が飛び出します。12inchというフォーマットの都合でしょうか、尺的にはインタールードのような存在となっているのが残念でなりません。前回のMPC(MORE PROJECT CHART [4] 2015 -WINTER- "SNOW CHART")でピックアップしたSwarvyやFabel "Sinestasia"と好相性で、サウンドが春っぽい質感であることから、これらを組み合わせたセットを何度か展開しました。


・Glen Astro & Max Graef
・M$01 (12inch)
・Money $ex
・"Caribean Screwdriver"
・個人的な分類における、現代ジャズのアンダーグラウンド・シーンから発せられた音色のなかで、この春を代表する作品。"Cool Garageband (intro)"は、先ほどのHenry Wuや、同アーティストのコメントで登場したSwarvyとの親和性が高い内容となっています。生音の感覚、国産からは出て来ないであろうメロディ、揚げきらないテンションの高さ、出しゃばらないインプロビセーション、そしてジャズの度合いが最高に気持ちよく溶け合う、極上トラック。シンセの怪しい音色でスタートし、ブロークンなビートが被り、さらに4つ打ちのキックが合流して…ブロークン・ハウスな形態で展開されるインストは、最新鋭のフュージョンだと、僕は解している"Caribean Screwdrive"。ここでは、声ネタとパーカッションの合わせ技によって、スタイリッシュ感の軽減に奏功している気がします。ライブ感覚が満載のドラミングが大々的に用いられた中間パートの抑揚=対比もハイレベルなアレンジメント。素材が少ない味付けながらも、まったく飽きない音作りが成されています。"Titel 08 (feat Paul Frick)"では、ローズ崩し的(?)なエフェクト(と理解していいのでしょうか?)が全体を覆っていてリラクシン。この丸さと対照的に響くギターのフレーズ、土着的な色みを帯びるドラム、さらに異なる指向=コズミックなイメージを齎す下降フレーズの浮遊シンセ・サウンド…と、相反するエッセンスを緻密な計算で組み合わせた、とっても理知的なダンス・チューン。


・Prince And The Revolution
・Around The World In A Day (LP)
・Warner
・"Pop Life"
・彼のプライベート・レーベルの名にもなっている"Paisley Park"は、きっと思い入れが強いのでしょう。観念的な範疇に終始させまいとの想いとともにある理想郷が認(したた)められたリリックは、"Imagine" (John Lennon)にも通ずる、文学的な香りを放つ作品。その香しきセンスは、高邁な精神性が横溢する音感のみでも伝わってくるのではないでしょうか。とにかく、気品漂う1曲です。ピアノの荘厳なイントロでスタートする"Condition Of The Heart"は、シンセの存在感が大きくなりつつ展開し、アルペジオ・スタイルのギターがメロディ・ラインと並奏され、右チャンネルに振られた多数の音符が奏でられるギターも加わり…と、この時点で要素がぎっしり。ギターの音色を好む僕としては、Princeは、まずはギタリストとして魅力的なのです。セールス的には成功を納めたと言えるでしょうし、世界的に高い知名度を誇っている事実も含めて、サクセスしたのは間違いないと思うのですが…もっともっと、奏者として評価されるべきだと感じています。この曲に限らず、メロディの馴染みやすさとバッキングの前衛性の同居が、彼の魅力のひとつだと思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。レビューを続けます。"Pop Life"は、ブラックなベースラインに、サイケ色たっぷりな=浮遊感に満ちた上モノ、そして彼に固有の、ハモりながら抽象性を打ち出していくという異様な混声ワークによって…音に浸りがちですが、何度も聴いているうちに、“人生を良きほうに導くのはポップ・ライブ”との思慮深いリリックが印象に残ります。このメッセージは、どのように受け止めるべきなのでしょうか。僕は…後半に、突如として組み込まれた破壊音が、そのまま直喩となって…“破壊/障壁があろうとポップに生きるスタイル”が歌われている気がするのですが…。スローなのですがグルーヴが活き活きと前面に出てくるという、不思議な形態の"The Ladder"。多数の旋律が混在するのに、いずれもしっかり聴かせつつ、リスナーを迷わせないセンスもPrinceならでは。さらに、思いっきりシャウトしているのにオシャレ感が失われないのも特筆事項でしょう。このことは、僕が敬愛するアーティストでは、Marvin GayeやD'Angeloにも共通する性質ですね。


・Stevie Wonder
・Music In My Mind (LP)
・Tamla
・このLPからは、全体的にブルージーな香りがします。"Love Having You Around"もそうなのですが、さすがの崩し方で、ファンキー&ソウルフルに、そしてジャジーにアップデート。左右に分割されたエレピのバッキングが気持ちいいです。さらに、異なるエフェクトが被せられた鍵盤、多重録音で構成されたボーカルと、多種のパートが重なりながらも…声がストレートに届いてくるから驚きますね。ところで、このチャート・シリーズでは、アップまでの3か月間によく聴き・よくプレイした曲や盤をピックアップしているのですが…こうしてテキストを書くにあたり、あらためてリスニングしています。"Superwoman"についても、そうのようにしているのですが…メロディやコードやテンポや…そして演奏に歌唱にアレンジ…すべてがパーフェクトで、圧倒されてペンが進まなかったのです。それほど、聴く人の心をつかむパワーが、この曲にはあるのでしょう。曲が終わると、ひと言、“ギターソロ”とだけ書いていました。これは、自身が奏でる楽器ではない音色を、あえてソロに抜擢する、セルフ・プロデュースのセンスの高さに、今更ながらに驚いたということなんです。ちなみに、"I Love Every Little Thing About You"では、ついに、まったくメモすることができませんでした…。ただただ、その音律に耳を傾けるだけだった…と、これだけで十分な批評になる気がするのですが、これは甘えでしょうか…。そして、"Happier Than The Morning Sun"の、柔和で優美で高貴で…ピースフルでいて高い矜持が内包された、そんな完成された世界観の確立が、弱冠22歳で打ち出されていることに驚愕するのでした…。


・Klaus Layer
・The Adventures Of Captain Crook (LP)
・Redefinition Records
・"Touch"
・"Slow Down"
・サンプリングと思しき声ネタがハマっていて、それがボーカルとして機能し、歌ものであるとの認識を抱いたので…あえて、インスト盤を購入。"Touch"では、民族的な雰囲気と(もちろん賛辞としての)間抜けな声、さらにエスニックなギターとが相俟って、ラップ不在でもストイックにはなっていません。"Slow Down"は、エンディングともブリッジとも形容し難い、後半のパート=オチとしてのフルート、サイケ指向なアブストラクト感が“どタイプ”。元ネタのボーカルを前面に配しているところが僕の好みな"In My Mind"では、音が割れ気味の、ロック・テイストなオルガンのエフェクティブなコード感や、あえてのヘタウマ性を狙った、まるでJimmy Pageのソロに登場しそうな、不安定なスケールを伴ったエンディングも◎。


・Led Zeppelin
・Houses Of The Holly (LP)
・Atlantic
・ロック作品としては、全曲を猛烈にプッシュしますが…音楽スタイル:クラブ・ジャズなアングルで編集している本チャートでは"The Crunge"をピンポイントで選出。変拍子なドラム・ブレイクで幕を開けるのですが、この、John Bonhamによるパワフルなフレーズに触れた瞬間に、10年ぶりにリバイバルしましたね。ロックでは、総じて歪んだ(歪み過ぎな)ギターが含まれているので、DJでは使いにくいことが多いのですが、ここではクリーンよりの音色であり、ファンキーなカッティングが披露されているので、容易に盛り込めます。また、ボーカルについては、白人のハスキーな面が強調される機会が多く、これまたプレイから遠ざける理由になりがちで…Led Zeppelinのボーカリスト・Robert Plantは甲高いトーンを繰り出すので、ますます縁遠くなるのですが…この曲では抑え気味であり、ラフなスタイルなのでピックアップしやすいですね。この作品だけでは伝わりにくいと思うのですが…彼の、メロディ・メイカーとしてのセンスはものすごく高いので、機会があれば、他の作品も是非チェックしてみてください。そして、ちょっと話題がそれてしまうのですが…昨年、ある本屋さんだったか、web書店だったかで目にした、異様に奇を衒ったディスク・ガイドのレビューに、“ビートルズとツェッペリンしか聴いたことがない人にはわからないでしょう”みたいな文句が大々的に書かれていました。いくらなんでも、ナメ過ぎ・行き過ぎで、笑いさえこみ上げてきたのですが…それはそれとして、メジャーな存在は、そのネームの浸透度が逆に過小評価を招くことがある気がします。ということで、これからも、僕は、堂々と王道も盛り込んだセットを展開していきたいと思います。このことが、価値観の解放の一助になれば…幸甚でございます…。


・Steve Arrington + Dam-Funk
・Higher (LP)
・Stones Throw
・"Hear Me Knockin’"
・サステインが全開のシンセサイザーを存分に味わうことができる"Blow Your Mind"は、シンプルなアレンジメントによって、ひたすらに心地よいことから、寝る前に聴くことが多かったです。メイン・ボーカルの隙間にはめ込まれる、エフェクト感を狙ったフェイクも、とっても気持ちいいですね。話題が飛躍しますが…この盤に内在する感覚が、ここ最近で見直され、現代の感覚にアップデートされつつ、披露されている気がするんです。それは、まとまり過ぎない感性と言いましょうか、突き詰め過ぎない方法論と言いましょうか…コンピューターによるテンポとフレーズの整合性を図り過ぎないところ、ですかね。ひと言で表現すると“旧譜感”でしょうか。そんな概念が意識されているように感じます。Side A~Dのうち、もっとも聴き、プレイしたのが"For The Homies"。やはりシンンプルで、そして手味感というか、まとまり過ぎていない質感に好感を抱きます。それは、非常に細かくて恐縮なのですが…イントロに入っているアンプのノイズからも感じ取れ、ほんとうにウォーミングな印象を与えてくれますね。


・Shokazulu
・Fresh Fromage / Something (12inch)
・2000black
・"Something"
・このShokazuluというアーティストは、Kaidi Tathanの変名プロジェクトと言われています。彼は、Bugz In The Atticの時代から一貫してピアニスト/キーボーディストとしてのイメージが定着していますが、フルート奏者としても活躍しているのです。そんな彼の、多重録音によって和音楽器としてフルートを解釈・起用するセンスが大好きなんです。ここではツカミとして登場させていますね。ドラム・パターンも、ガット・ギターが鳴らすコードも、ブラジリアンなのですが…硬質な音作りが、最先端のフュージョンへと昇華しています。"Something"が醸すストイック感は、僕の嗜好そのもの。墨滴を、真っ白の半紙に、ピンポイントに垂らしたかのようなピアノのフレーズ、あえて墨の量が不足したままの筆を走らせる様を連想させるシンセの音色、極限にまで薄めた墨色で描いたかのようなストリングスのスコア…この音の少なさは、まるで余白を活かした水墨画のよう。渋味の極地です。


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MORE PROJECT CAHRT (past)
→LINK

2015年6月1日月曜日

「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」Vol. 57


MORE PROJECT presents
「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」Vol. 57

2015.6.12 FRI
NOON+CAFE(梅田)
19:00 - 23:00
チャージ ¥0


***「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」***

ひと月ごとに
大阪の梅田と心斎橋のカフェを行ったり来たりする、
DJによる選曲ギグ。

普段のBGMはCD音源ですが、
「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」では
レコードを使った生の選曲でお店を演出します。

季節や時間、
その日の天気や空気感によって
多種多様な音楽をセレクト。

エントランス:フリーですので、
文字通り“喫茶店”の感覚でお越しください♩


◆Resident DJ
 松本大輔 (MORE PROJECT)

◆Rotation DJ
 NAGAMU (NAGAMORE)
 SHIGEMA
 YOHEI OKAMOTO (Nuovo Classico)
 SHINJI OKANO (digmeout ART&DINER) ※奇数月のみ出演


◆more information
 →about「クラブ・ジャズ喫茶[モア]」


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